好き嫌い
子育ては……だ!
これって、家庭環境とか子供の年齢によって、入る字が違うとは思うんだけど、私の現時点の心境からすれば、これは「忍耐」の2文字に限る。
小さな子供に食べ物の好き嫌いがあるのは普通のこと。
小さい頃から食卓をお説教の場にしてはいけないと思い、
こちらが美味しそうに食べればそのうちに興味を持って食べ始めると思い、
なるべく無理強いはしないようにして、見守ること約2年半…。
周囲の大人が食べることの楽しさを見せてあげれば、子供は自然と食に興味を持つからね、
という先達の言葉を信じつつの、約2年半…。
ちょっとぉ!ちーっとも、効果がないじゃあないのっ!
もうハハとしては、この2年半の忍耐もそろそろブチ切れてきたので、最近は実力行使で行くことにした。
ところがこれがもう結構大変。食事の時間がかな~り険悪なものになる。
仕事をしていて、クライアントとのゴタゴタとかでストレスが溜まるってのならまだ納得がいくのだけれど、
4歳半の子供相手に、ここまで神経を逆なでされるのが、もーお信じられない。
だからと言って、何かに当たるわけにもいかず、常々ハハが密かに心に浮かべる2文字は、
「子育ては忍耐だ!」、…ぐぐぐぐぐっ。
最近時折、自分が幼い頃の母親と同じ声音になっていることに気づいてハッとしたりもする。
だから、母に睨み付けられつつ、無理やり口にする食事の不味さもよく知っている。
それを何十年かしてから、自分の子供に課しているのだから、不思議なもんだ。
出されたものは、満遍なく食べなさい、
と、純日本風な考えで育てられた私にしたら、大人になって好き嫌いなく何でも食べられるのは当たり前だと思っている。
ところが、アメリカ人のジョンは、
「大人になって唯一いいことは、誰からも強制的に食べさせられないこと~♪」と、のたまいつつ、
今日も、たまねぎとピーマンを自分の皿の上から払いのける。
彼のお母さんも、彼の幼少時に頑張ったようなのだが、その成果はどうみても失敗に終わったらしい。
数々の逸話の中で、最も有名なのはハロウィン事件。
その夜の夕飯はサンドイッチ。
ハムが乗っかったパンの上に、お母さんが「缶詰のほうれん草」をどんっ!と乗せて食べさせようとした、
それが、「これはあんまりだ!」という子供たちの反感を買い、「食べないことにはハロウィンに行ってはいけません!」というお母さんとの間でテーブル紛争が勃発。
断固として拒否し続けた子供たちは、たかだか「ほうれん草の缶詰」のために、その年のハロウィンをおじゃんにした、というお話。
しかし、これはよく分かる!その光景が目に見えるようだもん。
第三者から見たら、どーでもいいようなことなんだけれど、当人たちの意地はもう一歩も後へは引けないんだよね。
うちの子のベビーシッターを頼んでいるグアテマラ人の女性いわく、同じように面倒を見ている同年齢の子供も、やはりちっとも食べないんだそうだ。
私にしたら、きっとそういう年齢なんだろうね、とも思うんだけど、彼女は
「うちの兄弟7人とも小さい頃から全く好き嫌いなく何でも食べるのに、どうして?」と不思議に思うらしい。
それはねきっと、お母さんがお料理上手なのに加えて、子供たちが、一日三食食べられることの有難さを知っているからなんだよね。
決して裕福ではないつましい家計。その中でやりくりして作ってくれた食事だもの、親が何も言わずとも、子供たちはちゃーんと何かを感じているはず。
飽食の国で育った私たちには、到底真似のできないそんな躾。
この際、うちの子も一ヶ月くらい、ホームステイさせてもらおうかしら?
…どうせならパパも付けてね。

