チャーリーブラウンのクリスマスツリー
ご存知、スヌーピーとその仲間が出てくるあのアニメ。クリスマスを目前に控えたこの時期になると、必ずどこかのアメリカ系テレビ局で放送されるのが「チャーリーブラウン・クリスマス」だ。
チャーリーブラウンが選んだクリスマスツリーは、よりによってかなり貧相な一本。
オーナメントの赤い玉を一個つけただけで、だらりと垂れ下がってしまうヘナチョコな木を見た周囲が、「・・・まったく、チャーリーブラウンったら。」と、ため息を漏らすのがこのストーリーの見せ場のひとつなのだが、
だがしかし私自身、グアテマラに住む身としては、ここでうっかり笑うのはどうもはばかられるのである。
もみの木なんぞ自生しているはずもない南国のグアテマラ。
ここでのクリスマスツリー用のナマ木は、なんと山から切り出してきた「松の木の枝」だ。
聖夜が近づく一週間ほど前になると、その枝を売る男たちが教会の広場前に立つのだが、この代物がどこからどう見てもチャーリーブラウンが選んだクリスマスツリーなのだ。
まさか、オーナメントをひとつ付けただけでしなるほどヤワだとは言わないが、いくら飾りつけたところで、松の枝はやっぱり松の枝。
そんなチンケな枝を売る男たちの顔が真剣なのがなおさら可笑しくて、前を通るときなど思わず顔を伏せて苦笑してしまう。
さてそんなグアテマラにあって先日、ジェイの通っている小学校でクリスマスの劇があった。
今年の出し物はずばり、「チャーリーブラウン・クリスマス」。
インターナショナルスクールなので、アメリカ風な英語劇をやるという意図はわかるのだけど、
はてさて、チャーリーブラウンが選んだ木の枝に友達があきれるシーンを、「松の木の枝ツリー」を見慣れたグアテマラ人に理解させることができるかどうか・・・?
と、少々心配していたら、いよいよそのシーンになってステージ上に取り出されたのは、緑の木の枝ならぬ、なんと、・・・立ち枯れのトウモロコシの木だった。
これには、ガイジンもグアテマラ人も一同大爆笑。
このあたりにはどこにでも生えているトウモロコシの木。人々にとって、多分一番見慣れた草木であるトウモロコシを選ぶだなんて、先生たちもよく考えたもんだ。
誰がどう見たって、トウモロコシの木にクリスマスデコレーションは似合わない。
そしてステージは、原本どおりに友人たちがチャーリーブラウンの木を綺麗に飾り付けてあげて、「メリークリスマス、チャーリーブラウン!」と声を揃える。
こうして今年のクリスマスの劇は、陳腐なトウモロコシ・ツリーにて、グアテマラ風に無事に幕を閉じたのだった。
A CHARLIE BROWN CHRISTMAS

