隣の芝は
ちょっとメキシコへバケーション、などと言うと一見聞こえはいいが、私たち家族の場合、これには大概「日用品買出し」の意味も含まれる。
前回、サン・クリストバル・デラス・カサスへ行った折にゲットした品々の中で、一番うれしかったのが実は「枕」。
家具付の約束で借りた新居には、主寝室にどデカいベッドがある。
縦と横の長さがほぼ同じといういわゆるキングサイズで、隣にイビキ大魔王が寝てようが、子どもが夜中に夜這いに来ようが、
それでも邪魔されることなく快適に寝られるという嬉し涙ものの特大ベッド。
下見にこの家を訪れたときにそれを見て、ホクホクしたものだったが、
引っ越してみれば、ないっ!枕がないっ!!!
そう言えば大家さんが言ってたっけ、
「この枕だけは持ってっちゃうけど、ごめんねぇ。だってぇ、羽根枕なんだもん。(ここで枕に頬擦りする彼女)
あ、でも心配しないで!ちゃんと代わりのを用意しておくからさっ!」
そんなわけで案の定、すっかり忘れられたわけである。
その日から私の枕探しが始まったのだが、不思議なことにこの街で枕を売っている店がこれまたないっ!
友人達にも聞きまくったが、そういうのは首都にある大きなスーパーマーケットで買うか隣街まで出かけるか、または、
どこぞからたまーに行商にくるマクラ売りおじさんから買うものらしい。
この、枕をいくつも体の周囲にぶら下げたマクラおじさん、出没する曜日も場所も不定期。私が必要なときに限って、もちろん出くわすわけもない。
そこでしかたなく、メキシコで買おう!ということになった。
枕を買いにメキシコに…。
いったいどんな場所に住んでいるんだ?と我ながら思う。
そうして、引越しの日からメキシコ旅行の日までの半月以上、バスタオルを何重にも重ねて代用した枕を使っていたものの、
「人生の三分の一以上を過ごすベッドというのは、大切な選択です!」なぁんてのたまうコマーシャルに諭されるまでもなく、枕の重要さを実感した日々であった。
サン・クリストバル・デ・ラス・カサスの郊外には、近年新しくできたアメリカ型の巨大スーパーがある。
そこで、山と積まれた枕の中から手に取ったのは、もちろんアイ・ミス・ユー!の羽根枕。
しかも、定価なのにひとつ1000円也、激安~~~ぅ!
早速愛用しているこの羽根枕。
毎晩ポフポフ叩いて、十分に膨らませてから寝に入る。
ところが、同じ製品のはずが、隣のジョンの羽根枕の方が僅かながらいつもふっくら高々としていることに最近気がついた。
隣の芝は青く見える。
でもこれは気のせいではなく、きっと私の日本人アタマがでかくて重いから?
今晩あたりコッソリと、入れ替えておこうと思っている。
・・・メキシコ・バケーションまであと3日。

