“キスをしないで” メキシコ人たちの苦悩

日本でも大々的に報道されている「豚インフルエンザ」騒ぎ。
めったに人には感染しないはずの豚ウィルスが、どういうわけか鳥インフルと合わさって、人にも危害を及ぼす型に変種した!だなんて、
「これはひょっとして、どこかのバイオ研究所から漏れた研究中の生物兵器!?」などと真っ先に頭が行くのは、SF映画の見すぎな私だけ?

さて、公の行事はもちろん、学校も休校、コンサートなんかも全て取りやめになっているメキシコシティーでは、それらの通達とともに、こんなお達しも出たらしい。
「他人と頬を寄せてキスを交わすのは、なるべく控えた方がよろしい。」

これって、いわるハグのこと。
この辺りのラテンアメリカを旅行された人なら分かると思うが、道端で会った友人には、「あらぁ~!元気だったぁ~?」の言葉とともに親愛の情を込めて大げさな身振りでガシッとハグするのが、こちらでのご挨拶。
そして、両手で合体しただけではまだ不足と見えて、片方の頬と頬を摺り寄せてチュッ!
この儀式(?)はもう、相手が旅行者だろうがそんなことには不慣れな日本人だろうが例外として許してもらえることはなく、相手が知り合いと見れば、否応なく頬キッスハグは降ってくる。
まぁこれは、私たち日本人が、「こんにちは」の言葉とともに自然と頭も下がってしまうようなもんだろうと思う。

ところがである。
今回の豚インフル騒動で、そんなことまで制約されてしまったメキシコ人たち。
「オーラ!コモ・エスタ~?」の発声と同時に、伸びる両手と近づくホッペ、だがその時ふと頭をよぎるインフルエンザに、固まる一瞬・・・。
想像するに、メキシコの街角では、さぞかし気詰まりなギクシャクとした光景が展開されているのではないだろうか。

電話口で話していても、ついつい頭をぺこぺこ下げて会話してしまう私だもの、
もし自分がメキシコ人だったとして、いきなりいつもの習慣を変えるのは、かなり苦しいことだと思うのだ。
だから、豚インフルエンザがこんなに急速に拡大している背景には、そんな社会的背景もきっと一因にあるはず。
ま、しかし、微かな救いを言えば、ハグして両頬にキスしないと満足しないイタリア人よりは、これでも良しとしないといけないのかな。

もう日本はゴールデンウイーク。
きっとメキシコはすっかり、ブラックウイークだね。

バージン・デ・グアダルーペ
メキシコシティーの門前町で売られていたバージン・デ・グアダルーペ像。このキッチュさがたまらない魅力。

7 個のコメント »

  1. 念のために、だけど、
    頬キッスをするのは女性同士か、女性対男性間での習慣です。
    男性同士の場合は、ハグと握手で十分です。
    郷に入りては・・・と意気込んで相手の男性にブチュッ!としている日本人男性旅行者も時折見かけますが、
    見ているこちらが恥ずかしくなるので、特殊な目的がない限り、それはなるべく控えた方がいいでしょう。

    コメント by Chinita — 2009/04/28 火曜日 @ 03:54:31

  2. このグアダルーペ像、懐かしい!!!
    旅先で見ると、ちゃっちく見えて結局買わなかったけど
    こうやってみると可愛いなぁ
    メヒコに行きたい・・・次はいついけるかしら・・

    コメント by yuki — 2009/04/28 火曜日 @ 07:47:37

  3. こっちは目上の人には一度ぬかづいて、その後女性同士ならハグしつつ両頬を交互に重ね合わせます(キスはしないけど)。結構密着度高くて、この程度でも私は最初はドギマギしてしました。ラテンの国に嫁がなくて良かったかも(笑)。
    ところで、今晩からセレ部が再びスリランカ入りです〜。珍道中、お楽しみに!(笑)

    コメント by イエスタデイ伊藤 — 2009/04/28 火曜日 @ 11:43:30

  4. yukiさん、
    このグアダルーペ像は、映画メキシカンの中で、
    ブラピが運転していた車のボンネットについていたヤツですよ。
    聖女の像を、ここまで安っぽく作っていいのか~!と
    思わず突っ込みたくなる作りですが、
    そんなことをまるきり気にしないところが、メキシコ人のいいところ。笑
    yukiさんの次のメヒコ旅行の際には、是非手に入れてくだされ。
    時期がいつになるかは、・・・豚さんにでも聞いてみないと分からないよねぇ。

    コメント by Chinita — 2009/04/28 火曜日 @ 12:18:54

  5. イエスタディさん、
    スリ人は、両頬重ね合わせの術!?って、なんかイタリアン風味じゃありませんか!もちろん、その前戯なる「ぬかづきの術」が、ラテン系からは考えも及びませんが。
    こちらでも、もちろん唇が合わさることはありませんが、頬を重ねるときに「チュッ」と音を出すのが上手な人に当たると、私など
    「おぬし、かなりなテクニシャンだな・・・」などと心の中で思ってしまいます。
    非ラテン系な私は、何年居てもうまい音が鳴りません。

    競れ部長殿、さすがにパワフルで行動が早い!
    そんなところは、タミルの虎の制圧に突き進むスリランカ政府軍も真っ青?
    ・・・いや、失礼を致しました。
    景気のいい話を期待しておりますデス。

    コメント by Chinita — 2009/04/28 火曜日 @ 12:31:48

  6. なんか日本で報道されてるのと
    実質には隔たりがあるらしいよ。
    今はアメリカからの帰国便とメヒコ直便だけ
    検疫官チェックで3時間も機内から出れないバージョンもあるけど。。。

    ブログに書いたけどBBCNewsの書きこみがコワス。。

    メヒコでの感染者が減ってくれるといいね。

    コメント by パリス — 2009/04/28 火曜日 @ 20:56:24

  7. 太平洋を渡っての長旅の末に、3時間も機内で待機だなんて
    想像しただけでも疲労が。。。
    そんな中に、現在花粉症でくしゃみが止まらない私が乗ったとしたら、問答無用で逮捕されそう~★

    コメント by Chinita — 2009/04/29 水曜日 @ 04:07:17

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