贅沢品の値段
ここは中南米。とある小さな国のお話。
個人的な意見だけれど、この国で将来子供に就いて欲しくない三大職業は、大統領、おまわりさん、電気会社の職員。
前大統領は、当時ガッポリ儲けたお金でメキシコにトンずらしているし、検問でお金をせびられることは多々あるし、人間どうして権力や制服を身につけると、お金に強欲になるんだろう。
数年前だったか、組織的な不正がバレて、この街の電気会社の職員が一斉に入れ替わった時期があった。
確かに、電気料金の請求には全く根拠のない数字が並ぶ。
家の外にメーターなるものはちゃんとあって、担当者が調べに周ってはいるんだけど、まあ、そのいい加減なこと。
我が家では今年の前半は、何故か電気の使用量ゼロの月が4ヶ月ほど続き、その後の月には一挙に上がって何と800ケツァール!
これは、庶民の感覚にしてみたら8万円くらいにもなるのだから、一体私らはどんなご立派な御殿に住んでいるというのかいな?
こうした根も葉もない請求は、うちだけの話ではなく、
ある時、知り合いのひとりが「こりゃあ堪らん!」と請求書を手に、電気会社に捻り込みに行った。
すると、カウンターの係員は「私達はプロですから。」と澄ました顔で言う。
「プロって、お金を盗むプロかい!」と売り言葉に買い言葉で身を乗り出したら、「それじゃあ、コレでどうですか?」と、6掛けくらいの金額を提示されたそうだ。
電話も冷蔵庫もなく、薪で三度のご飯を用意し、夜になれば部屋にひとつある裸電球を灯して生活をしている人達がまだまだ多いこの土地では、
電気というのは必需品ではなく贅沢品の類に入っているのだと思う。
大体が、普通はある容量を越えて消費すると、単価が安くなるものだと思うのだけれど、ここではその逆。
何とビックリ!倍になる。
お金はある所から取れ!が合言葉のようなこの国のお役所仕事。
そしてそれは、職員が一新された筈の今でも全く変っていない。
プロが仕事をしていて、こんなに頻繁に停電するもんか、とつい愚痴って見たくもなる、この国の電気事情である。

