ライフライン ハリケーン・スタン 2日目

ここは中南米、とある小さな国が大変だぁ~。

住宅用の電話は、その日の午後から不安定な繋がりようではあったが復活した。
それでも、パナハチェルの市内通話のみで、他の街や首都へはもちろん、首都の電話局を通る国際電話などはもちろん掛からない。
携帯は、同じ機種同士なら通じるという、おかしな状況で通話可能。

しかし、一部とはいえ電話が使えるとなると、もともとお喋り好きなこの街のガイジンたちのこと、断片的な情報が街中を飛び交って、街の置かれている事態の大よそが、だんだんと私たちにも掴めてくる。

この街から外へつながる道は、4つある。

人々が主に利用するのが、県庁所在地の街ソロラへ上る道で、ソロラからは、パンアメリカン・ハイウェイを通って、アンティグアや首都のグアテマラシティへと続いている。
しかし、ソロラへ上る途中に二つある滝のうち、下流のほうに掛かる橋が崩れて、車両はもちろん、人の通行もできないそうだ。
他の2つは、隣りのサン・アンドレアスとサンタ・カタリーナの村へそれぞれ続くくねくね道で、両方とも予想通りの土砂崩れで通行不能。
最後のひとつはボートで湖を渡る方法だが、ガソリンが届かない今の状況とあっては、これは緊急用にしか使えないというのが、まっとうな見方だろう。

ライフラインが断たれている・・・。
これは、この街にいる人たちの誰の目にも明らかで、しかも、雨の被害が一段落したと見られる今とあっては、もっとも恐怖をもたらす事実である。

水とガスと食料。

水道水の供給が止まっていることはもちろんだが、多くの家庭には水道水を通常から溜めて置くタンクがある。しかし、その水が一体何日分残っているのか。
都市ガスのないこの街で、ガスといったらプロパンガス。配給店の在庫には限りがある。
日本で言えばさしずめコンビニと言ったところだろうか、街中いたるところにある、ティエンダと呼ばれる日常品を売っている商店も、今日ばかりはみんな戸を閉ざしている。

普段だったら、顔見知りでもそうでなくても、「こんにちは!」と明るく挨拶を交わす人たちが、道を行きかっても顔を下に向けて無口だ。

一体何日、街がこうして孤立するか見当もつかない中で、人々が不安定になりパニックに陥ることが一番怖い。

そしてそれは、早くもその夜になってやってきたのだった。

つづく

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