ココロの大きさ ハリケーン・スタン 4日目

ここは中南米、とある小さな国が大変だぁ~。

馴染みのコーヒーショップのカウンターにその日立っていたのは、いつものご主人ではなく、その奥さん。
私たちににこやかに朝のコーヒーを注いでくれながら、こう言った。
「災害に合った人たちには悪いとは思うんだけど、でもうちの主人って、ホントこういう時のために生きているような人なのよねぇ。」

確かに!その日のマイクはイキイキと輝いていた。

街の主要なスーパーは、今朝も相変わらずシャッターを下ろしたままだったのだが、午前中の少しの間だけ裏口を開けるという知らせを聞くや否や、即行飛び出していき、
特別に借りた買い物カートに山積みの食料品とともに戻ってきた。

それを、私が見ているだけでも数回は繰り返し、キッチンに溢れるほどになった品物の数々は、
ジュース、粉末ミルク、バター、玉子、ジャム、ピーナッツバター、マッシュドポテトの素、お米、塩、砂糖、固形ブイヨン、クラッカー、サラダオイル、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ゴミ袋、などなど・・・。
パンは自宅で焼けるからと、近くのベーカリーから、何と業務用の大きな袋入り小麦粉を買ってきた。

備えあれば憂いなし、を地でいくような男である。

しかし、4人家族が数ヶ月は家に篭れるんじゃないかと思うこの貯えは、別に彼らが独り占めしたわけでは決してなく、
敬虔なクリスチャンでもあるマイクの一家は、家族が被災したり気落ちしている知り合いに、惜しげもなくどんどん分け与えているのには感心した。

私が見るに、こんな普通でない状況下では、
普段から人徳のある人は、もっと寛容に、そして、普段からそうでない人は、もっと心が狭くなるらしい。

皆が人の食料の心配をしている時に、あるブランドのドッグフードをめぐって、店の前で怒鳴りあいの喧嘩をしている人を見ると、同じガイジンとして恥ずかしいと思う。

家への道が崩れて通れなくなった人たちに、自分の土地を通り抜ける代金として、一家族に付20万円払え、というのも正気の沙汰とは思えない。

でも幸せなことに、私たちの周囲にいるのは、マイクのような人たちばかりで、
この不安定な生活の日々に、私たちはとても感謝してもしきれないほどの、厚意を沢山もらっていたのだった。

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