56年前の記憶 ハリケーン・スタン 4日目
こんな状況の中で出てくるのは、やはり昔の災害の話。
今回のハリケーンとニュースで比較されているのは、1998年に中米に壊滅的被害をもたらしたハリケーン・ミッチで、今回のスタンの被害はそれを上回るなどと報道されているが、
歳をとった現地の人たちの口から上がるのは、何と言っても1949年の水害のひどさだ。
2週間降り続いた雨で、街のほとんどが水に浸ったそうで、お年寄りたちは今でも、どこが高台で安全な場所かを覚えている。
1949年といったら、60年代以降に北米からヒッピーな人々が流れてきて、今のようなパナハチェルの街の基礎を形作った時よりも昔の話。
この辺りはまだ素朴な農村地帯で、家も土壁の粗末な掘っ立て小屋風なものばかりだっただろうから、当時の被害の大きさと今とを簡単には比較できないけれど、その時の食糧難はかなりのものだったらしい。
トウモロコシの粉の値段はなんと約18倍。あまりの物価の急騰に、自治体が一切を管理することになり、がけ崩れなどの復旧を手伝った人のみに食料を配布することを決定。
男たちは、毎日スコップやつるはしを担いで働きに出たという。
当時はもちろん、大型の機械があるわけでもなし、人力で土砂に取り組む何百もの男たちの姿は、さぞかし壮観だったに違いない。

今回の復旧に一役買ったのも、こうした力自慢の男達だ。

