パキスタン地震
この国の外にいる家族や友人たちに、無事である知らせを届けることができない状況にあった私達としては、
やはり気になるのが、海外のメディアが、この災害をどんな風に報じているかということだった。
ローカルニュースでは「水の下で」などと銘打って、もちろん災害報道一色なのに対して、アメリカのCNNなどは、まずは簡単にテロップで流れただけ。
映像付きのニュースになり、トップニュース枠にほんのちょっと割かれたのは、それから何日かしてからだった。自分の国のこと以外は、あんまり関心のない人たちなのね、きっと…。
そこにいくと、イギリスのBBCの方が少しは相応な扱いで、世界にきちんと目を向けているニュースという印象が残る。
しかしこの様子では、日本の報道もそう大きくはないだろうから、家族が無闇に心配することもないし、まぁいいか、と思ったりする。
そんな中で飛び込んできたのが、あのパキスタン地震の速報だ。
これは大変なことが起こったぞ、と肌身にしみて思ったのは、最初のニュースが流れた時点での死者の数がもう既に何千人という単位だったからだ。
こうして実際に被災地にいると、メディアが取り上げる速度と現実との時間のずれが、結構あることに気づく。
グアテマラでの災害も、最初の報道では十数人の死者。
この状況でそんな少ないわけはないだろう、思っていたら、時間の経過とともに瞬く間に数字が上っていった。
だからパキスタンの場合、しょっぱなの報道からあの数では、最終的にどれほどの犠牲者の数に上るのか、想像もつかないと思ったのだ。
災害の直後で水の問題が深刻なのは、あちらもこちらも同じのはず。
しかし私達の場合は幸いにも雨季の最中で、雨水を貯めることができるからずっとましだよね、とテレビを見ながらみんなで話した。
それに、夜になってもそれほど厳しい冷え込みが来ないこの街の気候、というのも家を失くした人々にとってはありがたいことだ。
そう考えると、パキスタンの人々が直面していることの深刻さが、さらに肌身で感じられて、背筋が寒くなった。


水が溢れて川になったバス通り。道の先にあった橋は根こそぎもぎ取られて、寸断された箇所から、垂直に落ちる滝のように濁流が川に流れ込んだ。

