復興の音 ハリケーン・スタン 5日目
ここは中南米、とある小さな国が大変だぁ~。
前日あたりから、空が賑やかになってきた。
バラバラバラ…と大げさな音をたてているのはヘリコプター。
長い冬が明けた後の春の兆しが嬉しいように、閉ざされていた世界が外からぐいと開かれたようで、プロペラの音がこの時ばかりは妙に頼もしく聞こえる。
大統領が「パナハチェルの復興が先だ」と言ったとか何だとか。
ともかく、観光客の安全の確保を優先して、海外からの印象を少しでも良くしようとする政治的配慮があったようだ。
最初のヘリコプターが飛来したのはお昼ごろ。
雲の切れ目からようやく太陽が射すようになってきた中を、数機が街を旋回するように飛んできた。
首都から救援物資を運び入れているのだなとは誰にでも察しがついたことだが、その帰り便で観光客を輸送するのだという話が聞こえてきたとたん、
突如として、コイツら一体どこから降って沸いたんだ?と思うような数の観光客が集まり出し、
6人乗りのヘリコプターでの救出案はあっさりと棄却されたそうだ・・・。
その代わりに観光客用に用意されたのが、小型のボート。
私達の街から隣街のソロラへ行く途中の橋が陥没して通れないだけの話で、ソロラから先の首都へと続く道は大型車両も通れる状態だと言う。
そこで、ここからボートでソロラへの途中にある小さな村の船着場まで運び、そこから徒歩でソロラまで各自が登る、ということになったらしい。
しかし、登るって言ったって、そう簡単なことじゃないのは、住んでいる人なら皆知っている。
つづく

