サバイバー ハリケーン・スタン 5日目
…しかし、登るって言ったって、そう簡単なことじゃないのは、住んでいる人なら皆知っている。
二つの街の標高差は約400メートル。
しかも急峻なぬかるんだ道で、重い荷物を背負ってロープを伝いつつ、足元を泥だらけにしながらバックパッカー達の脱出劇は行われたらしい。
最悪の状態のようだが、しかし体験した友人によると、軍の人たちも皆親切で紳士的で、
バスの用意からその日首都で泊まるホテルの手配も既にしてあり、翌日空港に行けば、各国のブースが設けられていて、搭乗便の変更などもごくスムーズに行われたという。
スマトラ沖地震の際は、観光客から大顰蹙を買ったアメリカの大使館の態度だが、今回は非常にナイスな対応だったと、その友人は話していた。
確かに、ほとんどのことにつけて、この国の政府は今回の災害によく対応していると思う。
普段から、何事もスムーズに進まない国という印象があるから、もしかして更に良く見えてしまうんだろうか。
先に書いた政治的配慮という話だが、今回のことが起こる数ヶ月前から、アメリカのCBSの人気シリーズ番組「サバイバー」が、グアテマラを舞台に撮影を開始。
これに対して払われた外貨の額や、予想以上のメディアの注目度に、観光でお金を稼ぎたい政府がホクホクしていたという状況がある。
そこに来てのこの災害だから、ここはひとつ勢力を挙げていいところを見せておかないとな…、というわけである。
ともかく、街にようやく響いてきた復興への足音が、心強く聞こえた日。
その日から、ヘリは連日何機も飛来し、主要道路が復活する約一週間後まで、その勇姿を街に見せてくれたのだった。


