トムじいさん
むかしむかしあるところに、嫌われもんのトムじいさんがおったとな。
若いころはNASAで働いていて、それも清掃員とかじゃなくてちゃんとした科学者だったらしいトムじいさんは、
齢70近い今では、酒癖と女癖と口が悪くてみんなの嫌われ者。
そんなトムじいさんの街にハリケーンがやって来て、街中のプロパンガスの在庫が底を突いて、人々が難儀していたころ、
トムじいさんもガスを買いに、お得意の悪態をつきつき販売店を周ったらしい。
少しずつではあるけれど、街にガスが供給され始めたのはそれから約10日後。
トムじいさんは何と、あと3週間後になるまで誰からも売ってもらえなかったそうだ。
やはりこんな時には日頃の行いがものを言うのだな、と身に沁みたトムじいさんは、それまでの態度を改め・・・る筈もなく、
今日も元気に「クッソ野郎~!」と罵声を上げつつ道で泥酔しているとな。

