燃えろよ燃えろ
ここは中南米、とある小さな国のお話。
街の教会前の広場に今年もしつらえられた、大きくて不恰好なクリスマスツリー。
円錐形の骨組みを作って、その周りに杉の枝をべたべたと貼り付けて、なんとかそれらしい形にするんだけど、
オーナメントの飾りつけ方がどうもいまいちで、晴れやかなクリスマスツリーというよりも、毎年おどろおどろしい化け物ツリーに仕上がる。
繊細で優雅なクリスマスツリーを見慣れている日本人の目にしてみれば、いかにもこの国らしい不細工さで、それがまた味があるところでもある、と近年になって思えるようになってきた。
去年なんかは、重心が偏っていたらしくて、クリスマスの一週間前になって、突然倒れたもんね。
再度組み立てられたツリーは、3分の2くらいの高さになっていて、かなりのチビデブだった・・・。
今夜は、そのツリーの周囲でなにやら騒々しいコンサートが。
お決まりの爆竹花火も打ちあがって、巨大スピーカーからは耳を劈くマリンバ楽隊の演奏が絶好調だ。
宗教関係のことはよく分からないけれど、今日はカトリック教徒にとって「悪魔を焼く日」なんだそうな。
この日からクリスマスに向けて、本格的なカウントダウンが始まる。
この夜は、興に乗った人たちが「悪魔だ~!」とか言ってそこいらの人を放り投げたり、民家のドアを叩きまわったりするらしいので、毎年私たちは関わらないように家に閉じこもっているのだけれど、
翌日の新聞を見ると、大きな悪魔の張りぼて人形が火に包まれている写真が出ていたりして、これがなかなか壮観だ。
悪魔が火にあぶられている炎の照り返しにあって、紅潮している人々の顔なんかの方が、私には恐ろしいような気がするけど。
燃える悪魔の日と同時に、今日は、その昔日本とアメリカが燃えたパールハーバーの日、そしてジョンのお母さんの誕生日でもある。
それにしても、なんて日に生まれちゃったんだろうね。

