家族の在り方:1.29
ここは中南米、とある小さな国のお話。
子供の頃教室で、「ひとりっ子の人手を挙げて~」と言われるのが嫌だった。
私の世代のマジョリティは「ふたりっ子」。
厚生労働省が発表した2004年の「出生率」は1.29で過去最低。
「もう子供は諦めたから。私たちの老後を支えるために、アナタがたくさん子供を産んでくれなきゃ。」
などとのたまう。
日本から遠く離れたこの国の、インディアン系の人々は今でも大家族だ。
うちに通ってくるメイドの女の子は7人兄弟の長女。
両親を入れたら野球チームが出来るね、などとからかってしまうけど、この数字って格段多いというほどでもない。
知り合いの中には、実は上に11人もの兄がいて、12番目にできた彼女が念願の女の子(もちろん末っ子!)、というパワフルファミリーもいる。
では、自分が子供を持つとしたらやはり多い方がいいの?と聞いたら、「私は少なくていいです。」という答え。
少ないって一人くらい?と思いきや、「3人…」と言っていた。
この3人という数字。地元の産婦人科医曰く、彼らの意識の中での最低限の子供の数だそうだ。
3人子供を産んだ後であれば、希望者は避妊手術を受けることが法的に認められている。
一般の家庭では、男の子の誕生を重視する。
息子が5人産まれた辺りから「そろそろ子供はもういいか…」と思い始めるらしい。
そうなると女の子も含めて少なくとも7~8人くらいにはなっているという計算。
彼らは家族の結びつきがとにかく強い。
戦前の日本の家族もこんなだったのかなと、ふと思うことがある。
知り合いの女の子が結婚3年目にして、ようやく自分たちだけの家を持った。
両親と兄弟の住む小さな敷地内に建ててもらった、これまた小さなコンクリートブロックの家。
狭くたって何だって、やはり自分たちだけの家はいいでしょう?と言ったら、
「でも何だか寂しくって…」と言っていた。
壁の間が10センチほどしか離れていない両親の家。
それでも彼女には世界の果てほどの孤独感らしい。
そんな家族もアリなんだなと、1.29の数字を見て思う。

