ハイソサイエティー・パーティー

ここは中南米、とある小さな国のお話。

大体が、子供を連れてこれないパーティーってところからして、他のパーティーとは違ったんだよね。


招待状には何も書いてなかったし、何も言われていなかったんで、連れて行ってしまおうかとも考えたけれど、同じく招待されている知人から、
「アップタウンな人々の集うオ・ト・ナのパーティーには、子供は連れて行かないもの。」と言われ、当日あわててベビーシッターの手配をしたのだった。

夜がとっぷりと更けてから真夜中に掛けてが最高に盛り上がるという、その夜のクリスマスパーティー。
招待されているカップルの子供達は、親はパーティーで不在のまま、それぞれの家でベビーシッターとともに眠りにつく、ってわけ。
純庶民派日本人な私には、そこら辺の感覚からしてちょっと違う。

今回のパーティーのホスト&ホステスであるアメリカ人夫婦が住む邸宅は、この辺りのビバリーヒルズとも呼ばれる、アティトラン湖を一望できる絶景の高台にある。

招待されたそのお宅は、話に聞いて想像していたのと違わず素晴らしかった。
ここはどこ?FOXドラマで人気のザ・オレンジカウンティ
高い塀の内側は文字通りの別世界が広がっている、というのは、この国ではよくあることとは知っていたけれど、でも、実際にその塀の内側へ入れるとなると、やっぱりうきうきしてしまう。

この家のオーナー夫婦は、年の半分をこの地で暮らして、あとの半分、雨季の季節はアジアのリゾートに滞在しているという、誰もがうらやむ暮らしをしている。
きっとトイレ掃除なんて生涯一度もしないんだろう奥さんは、育ちが良すぎるせいか、自分たちが人々の憧れの生活をしているなんてことも気づかないでいる様子。

センスのいい調度品で飾られたリビングに設えられたテーブルには、一体どんな味なのかひと目では分からないような美しいオードブルの数々が。
招待状に「Hours d’oeuvres will be served」と複数形で書いてあったとおり、何時間でも尽きないほどの盛りだくさんなオードブルなのね。

夜が深まってくるにつれて増えてくる人、人、人。
この特別の夜のために着飾った裕福なガイジン達ばかりだから、それは見ているだけでゴージャス!
グアテマラなどと聞くと、遠い日本にいる身としては、どんな辺境で未開な場所かと想像するかもしれないけれど、実は北米やヨーロッパからのこうした隠れお金持ちたちが、ここいらにはかなり住んでいる。
バックパッカーな旅行者が訪れる国のイメージ、とはまた全く異なる一面だ。

社交上手には決してなれない私だけど、それでも壁の花にはならないように、なんとか人波の中を泳ぎまわってみた。
日本やアメリカに居たら、クラスの違いで交わることのないだろう人たちとも、私なんぞが親しく言葉を交わせるというのは、ここに住んでいるならではの得点かもしれない。

それにしても、そんな中に身をおいてみて思うのは、貧相な日本人体系と、いくら背伸びしてみても庶民派から抜け出せない身なりの悲しさ。
そして、日本から持ってきてずっと出番を待っていた正絹の着物一式が、湖の底に沈んでしまったのだと思うとまたまた寂しい・・・。

まだ年も明けていないうちから随分と気の早い話ではあるけれど、来年のパーティーこそはもう少しましな格好で行くぞ~!と、おハイソな世界にすっかり魅せられて帰ってきたのだった。

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