もうひとつのセマナサンタ
カトリック教会広場前にある小さな鐘楼の入り口に鎮座していたのは、マシモンさま。
マヤの原始宗教が現代に形を取ったような姿のこの神様は、タバコとお酒とお金が大好き。

ひょうきんでどこか間の抜けた顔が笑えちゃう神様だけど、民間信仰として今でも人々に深く崇められている証拠には、
飾られているこの小部屋に、マシモンさまと一杯飲んで語り明かそうという人々が三々五々集まってくる。
メチルアルコールと大差はないようなこちらの安酒、ケツァルテカのボトルを手に、日も高いうちからもう既にほろ酔い加減な男たちは、
マシモンさまを中心に、仕事や奥さんやなんかのことを散々愚痴っている様子だ。

一方こちらは、うちの大家さん所蔵のマシモンさま。
こうした黒い肌をしたものが一般的な姿だ。
「愛と平和」と書いたボードを持って、日がな一日庭でぼーっと日光浴をしている。
ジョンがタバコを一本進呈したら、誰かが失敬したらしく、1時間後には消えてなくなっていた。
去年もこうして庭先に出しておいたら、近所の子供が股間に真っ黒に変色したバナナを一本突き立てて行ったらしい。
そんないたずらも笑って許せちゃうキャラを持つこの神様。
あまり厳かな有難みはないけれど、これも、セマナサンタ期間の特別拝観ものだ。

