優良物件探してます:パン屋

この春の私たち家族の課題は家さがし。
水害後にようやく見つけて半年間住んでいた家が、今月から8割り増し!の賃料になったので、次の家捜しに拍車が掛かったというわけだ。

賃貸住宅情報誌なるものがあるわけでなし、コンピューターで検索ができるわけでもなし、
日本やアメリカとは勝手が違うことは重々承知の上だけれど、実際問題これがなかなか簡単にはいかない。

もちろん、不動産屋なるものはある。
しかし、最近値上がりが激しい土地の売買に比べて、賃料の安い貸家物件などは興味の外の様子。
こういう輩には、「将来的にはここに土地を買って家を建てることも考えているんですけどぉ、でもまずは家を借りて様子を見よっかな~、っと。」とフリフリしてみる。
6年近くも借家暮らしをしていて、様子を見ようかなも何もないもんだけれど、そうすると少しは対応がマシになったりもするから可笑しい。

まず最初に連れて行かれたのは、ドイツ人オーナーが作ったという見栄えもいい感じの家。
…なんだけど、家の中に入るまでもなく断った理由は、その家のドまん前に新興宗教の教会。
この教会、毎日夕方の6時になると、会場に集まった3、4人の信徒達に向けてスピーカーのボリュームを最大に上げて神父さんがお説教をする。

次の家は、去年の水害で泥が店の半分の高さまで上がったのも記憶に新しい商店、…の隣の家。
そのことを言ったら、「でもあんなことはホントに稀だから、大丈夫。」と不動産屋のおっちゃんはのたまう。
そこですかさず、「当時私の住んでいた家、流されちゃったんですよねー。」と返したら、おとなしくなった。

その次に見せられたのは、地元ガイジン達の間ではある種有名な家で、かなりいい造りの庭付きの家、賃料もびっくりするくらいお手頃価格。
でも、過去の地震で大きな岩がバスルームを転がり抜けた、というびっくり話も付いている…。

ノー、ノー、ノォーッ!
水害に遭った上に、地震にまでやられた日にゃぁ私たち、デザスター・ファミリーの名は欲しいがまま!
…いえ、私が欲しいのはそんなんじゃなくって、家族3人のフツーの家なんだけど。

自分のことはドン・ロレンツォと呼んでくれ、と言ったパン屋兼不動産屋のおっちゃんとは、
他に物件があったらすぐ知らせるから、と堅く握手を交わして分かれた。

期待の持てないところにはこれ以上期待しないように、頭を切り替えて、次の不動産情報に向かう。
次に会ったのは、不動産屋業とともに公立小学校の前でインスタントタトゥー屋をしている女性。
つづく

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