死者の日、グアテマラにて
日本での陶酔しきった日々を後にして、飛行機でぴよよ~ん、と戻ってまいりました、ここは地球の裏側グアテマラ、わが町パナハッチェル。
ぴよよ~ん、とは言っても、成田からアトランタまで11時間半、アトランタから乗り継いでフロリダまで1時間半。
ジョンのお母さんの家で2泊させてもらってから、フロリダからヒューストンに2時間ほど飛び、ヒューストンからグアテマラシティまで3時間弱、そこから車で2時間半揺られてようやく着いたわけだけど。
はぁぁ…、やっぱり遠いっす。
戻ってきてみれば当然のごとく暦も進んで、今日は10月の末日で「死者の日」。
先祖と一緒に家族が過ごす日、という考えは日本のお盆と一緒だけれど、それに加えて、日本のお花見のような、どんちゃん気分が高まるところがこちらの国の凄いところ。
今日は墓場で運動会~♪ならぬ、大宴会が最高潮に盛り上がるのが今晩から明日に掛けてだ。
とは言え、グアテマラ人の泥酔姿なんぞ到底見れたものじゃあないので、私たちは今朝、一足先に共同墓地に行ってきた。
メキシコで死者の日に訪れた墓地というのは、地面に盛り土をしたそばに十字架が立っている、いかにも「ガイコクの墓地」っぽいものだったけれど、
ここのお墓の多くはもう少し近代化(?)していて、遺体は全て埋葬時にコンクリートで密封されてマンション状にいくつも階層をなしていたりする。
墓場をめでるだなんて、あんまり趣味じゃあないんだけど、無味乾燥な日本のそれとは違って、ここのお墓めぐりの面白いところは、それぞれの墓石の表面に工夫を凝らした絵が描いていあったりすることだ。
ある墓石には、湖で伝統の木舟を操る男の人、この人はきっと生前は漁師さん。
田んぼで腰を曲げて鍬を持つ人はもちろん農夫。
広い庭をバックに花を手にして立つ男の人は、多分どこかのお金持ちに雇われていた庭師さん。
人物像はないけれど、豪邸を描いた墓石を持つこの人は、さぞかし家が自慢だったにちがいない。
笑ってしまったのは、ガソリンスタンドで働いている人の墓標、きっとそこが最期の職場だったんだね。
最後に、5年前にお酒の飲みすぎで亡くなった知り合いのお墓の前に行ってみた。
未亡人となって、苦労したに違いない奥さんは、なんだか憑きが落ちたようにすっきりときれいになっていて、お墓の周囲を掃除していた。
あれからもう5年がたったんだもんね。
雨季もそろそろ終わって、この死者の日は、例年いつもさっぱりと晴れ渡る。
ドライで透明な青い空と、死者の日の花マリーゴールドの燃えるようなオレンジは、最高に綺麗なコンビネーションだ。




