中米グアテマラ・タンス預金銀行

さて、正月明け早々にして、すべての預金高4万円弱をなくした我が家の家計。

メキシコで散財して帰ってきた身としては、決して痛くないわけはないのだが、
日本に住んでいれば、どうせ親戚の子ども達にお年玉として飛んでいったお金、と考えて、この際きれいさっぱりと忘れることにした。

問;銀行が破綻したらどうするか?
答;取り付け騒ぎが起こらないように、国が人々の預金額を補償する。

いくらこのグアテマラとはいえ、こうした常識的措置ってのはこの国にも存在する。
ただし、我が身を蚊帳の外において眺めてみれば、今回ちょいと見ものになりそうなことには、
国がこういう時のために蓄えていたはずの予算が何と、ないっ!
去年破綻した銀行のためにすべて使い切ってしまって、今ないっ!のだ。

となると、そこは金銭感覚に敏いグアテマラ人のことである。
たとえそれが1000円や2000円にしたって、自分達の金は金。
それが一夜にして消えたとあっては、ただで済むはずはないのである。

新聞発表の当日、緊張した面持ちでガードしていた民間会社の警備員の姿は、翌日から警察の面々に取って代わった。
私達の住む小さな街では、何の混乱起こらなかったようだけれど、さすがに首都では人々がぐるりと銀行をとり囲むシーンもあったらしい。

大体が、国中でマネー・ローンダリングなんぞばかりやっているからこんなことになるのダ。
国の政策が少々躓いても、政治的大事件が起こっても、この国の通貨ケツァールが平然として以前と同じ価値を保っているのを見ると、
相当なドラッグマネーが常時この国を通過していっているのだろうなぁと想像してしまう。

今回の破綻の原因として説明されている「ローンの焦げ付き」。
ローンと言えば、クレジットカードの乱発もちょっとした問題だ。
「先見の明」とか、「計画性」なんて言葉とは無縁なこの国の人々が、プラスチックマネーを持つとさてどうなるか・・・?
カードで支払えるスーパーとかショッピングモールなどが数多ある首都などでは、日本やアメリカが踏んできたような痛~い目にあう一歩前の状況だとか。
ま、そこへいくと私たちの住む街では、自慢のカードを持っても、トマト一袋を買うのにメルカドでカードが使えるわけでもなし、
どのみち私たちにとっては無用の長物よねぇ~、というのが、この土地の人たちの間での笑い話となっている。

ところで、この土地での銀行と人々の関係。
日本のように猫も杓子も口座を持っている国の状況とはだいぶ違って、銀行に預けるよりもタンス預金にしておく方が、庶民にはまだまだ一般的だ。
そのことを知ったのは、例のハリケーンで私たちの家が流されたときのこと。

私たちが住む場所や家財道具や思い出の品を失ったことを悲しんでくれるガイジンたちとは対照的に、周囲のグアテマラ人たちは、
「で、お金はいっぱい失ったのか?」と口々に心配してくれるのだ。

巷の予想では、これからもまだまだ潰れる銀行は出てくるだろう、とのこと。
家の中では、さて一体どこに有り金を隠そうか?と画策するグアテマラ人が大忙しの様子である。

banco de comercio

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