今日の私はかなり不機嫌だ
静寂のしじまを突如突き破った大音響。
ストリートに響き渡るテノールが歌うのは、「デスピエールタ、デスピエールタ~♪、我が同志たちよ!」。
デスピエールタ!(=目覚めよ!)って一体アナタ、今何時なのよ、と時計を見れば、
思わず瞳孔も開いちゃう4時45分!!!
もちろん朝の、である。
ビンビン震えているガラス窓から外を見下ろすと、荷台にでっかいスピーカーを括りつけたトラックが四台。
それぞれ、これまたデカい旗を両サイドに立てて、ウィンカーを点滅させている。
時折、景気づけに投げられる爆竹の音は、さらにこっちの神経を逆撫でするのに最適なアクセント。
これが日本でだったら、暴走族の集会風景に違いない。
そんな光景を見つつ、「どうして警察は来ないのかなぁ・・・」と、回らぬ頭で考えてしまったおバカな私、つくづくグアテマラを知らない日本人である。
後で冷静になって考えれば、ここのおまわりさんはいつだって「強者の」味方。
こうした、地元の有力者も参加しているかもしれない政党の集会に、小市民の睡眠が妨害されたがくらいで、圧力をかけるはずもないのだ。
今年行われる大統領選。
この国では、どの政党に付くかで、自分たちの将来の待遇が大幅に変わってきたりするから、政党にかける人々の意気込みもかなり熱い。
数年前にこの街を襲った水害の折の話、
ようやく届いた救援物資は、現職知事を支持した人々にしか渡らなかった、なぁんてのは冗談でもなんでもないのである。
間違った政党サイドにどっぷり付けば、身辺もかなりヤバいことになったりする。
コバンというところでホテルを経営している友人の彼氏は、反対勢力によるリンチを恐れて、ただいま雲隠れ中だ。
とにかく今朝は、我が家の前に位置するラジオ局を集合拠点に、一大デモンストレーションを行ったらしい政党「ウニオニスタ」。
トレードマークのオレンジ色の太陽が微笑もうがなんだろうが、こんなことをされた日にゃあ、私が有権者だったら、絶対に一票は投じないけどね。
さらに腹が立つのは、こんなに迷惑至極な「ウニオニスタ」が、大統領選出に絡むほどの実力もない政党だってこと。
弱い犬ほどよく吠える? 吠えてもいいけど、どデカいスピーカーを通して吠えるのだけはやめて欲しい。
アメリカから、第三諸国への物資援助として多種多様なものが送られてくる国グアテマラ。
良識あるアメリカの皆さん、どうかこれ以上、大型スピーカーは寄付しないでください。
大音響が大好きな彼らグアテマラ人ですが、この国にスピーカーは、既に有り余っているのです!

