海外でオーダー・メイド!

ここは中南米。とある小さな国のお話。

隣り街に住む海外協力隊のミサちゃんから、電話が掛かってきた。
「今、例の靴屋に居るんですけどぉ、店のオバさんが250って言うんです。ミホコさんは幾ら払いましたぁ?」

定価があってないような国に長く住んでいると、値段に疑り深くなるものらしい。

湖を渡った町にあるその靴屋さん、オーダーメイドのインディアン・モカシンを作ってくれるのでこっちに住む日本人達の間でクチコミで人気。
ミサちゃんのように、帰国を間近に控えた人達が、駆け込みでオーダーしていたりする。

7~8種類くらいあるデザインの中から、革の色や種類を自分で選んでオーダーすると、一週間くらいで出来てくる。

その価格も人気の秘密。
オーダーメイドでQ250(約4千円)なんだから、日本での価格を肌身で知っている日本人の女の子が飛びつかない訳がない。

でもまず、地元の人は買わない。だって、換算はどうであれ、彼らにとっては靴一足に2万5千円な感覚だもんね。

以前、こちらに住んでいたハナちゃんが、同じく帰国寸前の買い物に奔走している折に、私も連れていってもらったことがある。

女同士の買い物の常で、その狭い店内で迷うことナント2時間!
ジョンを連れていかなくってホントによかった。

でも、そんなに時間を費やしたのには一応訳がある。

大体が、サンプルからして置いてない。
ヘタなドローイングと、色あせたピンぼけの写真を見せられて、ここから選べと言う。
これは相当に買う方の想像力を要求される作業だ。

革のサンプルを手にあーでもないこうでもないとやっと決めた色合いなのに、店内に展示してある売り物の革を見てみると、同じ色のはずなのに全然違~うじゃないのっ、おいおいオバちゃんっ!
だけど、言われた方もさすがに動じない。「ああ、皆が触るからねぇ。」
その、悪びれもしない態度に、…絶句です。
また一から選び直し。

ようやくのことでデザインも決まって、オーダーする段階にあっては、やにわに新聞紙を出してきた。
足型の測定板みたいなのを出すと思うでしょ?普通は。
ところが、新聞紙の上に乗せた足を、そのオバちゃんが鉛筆でくぃ~っとなぞって、ハイおしまい!

その後不安な一週間を過ごし、出来あがってきたモノは?
…なかなかいい感じの出来の、…しかも話題に事欠かない、…思い出深~い一足だった。

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