男らしさ女らしさ
オンナ7人バンに同乗して、首都まで買出しツアーに行って来た。
年にたった2度くらいしか行かない大きな街でのショッピング。
中華食材店に入ったとたん、私の口と、目の瞳孔と、財布の紐が開きっぱなしだったのは言うまでもない。
買って帰った大根、ごぼう、といった根菜類は、大体何日で使い切るべきか、どんな料理にして食べたいかをしばし熟考し、例のごとく包丁の刃入れの儀式を、ひとりキッチンにて厳かに執り行う。
もやしは水に放ち、白菜、ニラ、チンゲン菜の類は、軽く湿らせたキッチンペーパーに包むなどの処理をして、
せいぜい長生きしてくれよと拝みつつ、冷蔵庫へ大切にしまいこむのである。
海外僻地居住者には、それはそれは貴重な和食材。
ひとつたりともムダには出来ぬと、鬼の心構えをしてしこたま買い込んで帰ってきた後の我が家では当然、雨後の筍のごとく、和食&中華料理が食卓の上にお目見えする。
きんぴらごぼう、大根サラダ、もやしのナムル、ニラ入りチヂミ、白菜の浅漬け、餃子、白菜鍋、大根おろしを入れた冷やしうどん、チンゲン菜の乗った坦々麺、豚汁、おおっと忘れちゃいけない豚キムチ!
料理の腕前は関係なくしても、こういう自分が育った味というのは、無条件に美味しいものである。
東京でのOL時代は、イタリアンだ何だと毎晩のように浮かれていた舌が、今これほど和食が恋しくなるとは、こうした土地に実際に生活をしてみないと分からないものだ。
黄色いたくあんと韓国海苔をお供に、もうそれだけでも十分にすすむ白いご飯。
五臓六腑にしみこむ味に、幸せすぎて思わず椅子から身体が浮き上がりそうになる私、ふわりと昇天するのはグアテマラの空・・・。
しかし、ある晩気づいてみれば、一緒に食事をしているジョンの箸が進んでいないのだ。
そして、その翌朝、
「もう今晩は和食は嫌だ!何か男らしいものが食べたい!」とほざく・・・じゃなかった、おっしゃるアメリカ人が目の前に居たのだった。
「お、男らしい料理とはいったい何を指すのぞや?」と、「日本食=男らしくない?」という新発想にショックを受けた私が少々語尾も乱れて聞き返した結果が、その夜の夕飯はなんとホットドック。
夫婦の相性、一番大切なのは寝室の温度、そしてその次は食の好みときたかいな?
話し合いの結果、夕飯の献立は、少なくとも3日に一度は男らしいものを作ることと相成った。
そこで、ここ最近の我が家の晩御飯はと言えば、
鶏つくね鍋→海老チリ→男らしいフライドチキン→豚しょうが焼き→豚肉と野菜の炒め→男らしいピザ→豚キムチお好み焼き→鮭の照り焼き→男らしいミートソーススパゲッティー→とんかつ→焼き餃子→男らしいチーズバーガー・・・
とまぁ、こんな感じなのである。
あ、そこの笑っているアナタ、こんなくだらないことでも、日米間問題は家庭内で摩擦を起こしたりするわけなんですよ。
さてと今夜は、女らしい肉じゃがにでもするかな~♪


