10月の第一週はパナハチェル祭り

秋ともなれば、街をあげてのイベントが盛りだくさんの我が街パナハチェル。
独立記念日のパレードの後は、10月1日の子どもの日の仮装パレード、
それから雪崩れ込むように始まるのが、この街の守護神・聖フランシスコを祝う「大パナハチェル祭り!」だ。

祭りの一週間ほど前から、神社の参道ならぬカトリック教会の四方を埋め尽くし出すのは、祭りには欠かせない露店の数々。
まずは、ピーナッツと乾パン風ビスケットを売る店が何軒も並び始める。
日本のよりもだいぶ小さい殻つきピーナッツはさほど美味しいものでもないし、リング状の硬いビスケットも全く味のしない面白みのない代物なのだけれど、地元の人たちが次々に買っていく様子を見ると、これを口にしないと祭りは始まらないってことらしい。

次に並ぶのは、切り売りのピザ屋。
トマトソースという名のケチャップの上にチーズとハムが散らしてあって、3切れでナント150円!
しかしある時、友人がオーダーしたらあと2切れ分しか残っていなく、さてどうするのかなと見ていたら、そのうちの1枚を目の前で2つに切って寄越したというのだから、売る側も肝が据わっている。

そんな露店がワサワサと並んで行くにつれ、ソワソワと落ち着きがなくなるのが、我が家の男性達だ。
ひとりでうろつくのも様にならないと考えたらしいダンナは、ジェイの学校が引けるのを待ち構えるようにして、意気揚々と連れ立って出かけていくのだ。

子どもにとってはもちろん、祭りはいつだってワンダーランド。
ボロッちい移動遊園地のクルマの乗り物に、今日はどれに乗ろうかと真剣に悩んで乗った後は、
ビー玉ゲームでちゃちいオモチャをゲットして、一袋15円の綿菓子を右手に、油と砂糖がたっぷりのチュロスを左手に、終日子ども達で満席のテレビゲームコーナーへと向かうのである。

週の終わりの金曜と土曜の夜は、この祭りのクライマックスである花火大会があり、危険この上ないグアテマラ版仕掛け花火を見る人たちで、その界隈の狭い通路はもう身動きもできないほどの人出なのだが、
こういう時こそが楽しいのだとばかりに、わざわざ人込みに揉まれに行くうちのダンナと息子。
この街に住むガイジンたちのほとんどが、喧騒と人出を嫌って、この時期には教会付近にはほとんど近づかないというのに、
まったくグアテマラ人並みに物好きである。

まぁ、思えば私もその昔、近所の神社に祭りが来ると、連夜露店に通いつめた祭りっ子ではあった。
特に夜、裸電球の下で見る、毒々しい色合いのオモチャや、ハッカパイプやあんず飴や、金魚すくいの店などが、どんなに輝いて見えたことか。
神社の境内にずらりと並んだそれらの店を、行きつ戻りつ何周しても飽きなくって、買えるお金が手元にあろうがなかろうが、ただキラキラしている光の中を歩いているだけで幸せだったあの感じ、
あの不思議な高揚感は、ン十年経った今でも忘れられないものである。

そういえば以前、帰省した時がちょうど近所の夏祭りにあたった私は、
「日本のお祭りってね、そりゃあ楽しいぞぉー!」とジェイに吹き込んで張り切って出かけたのだった。
だがしかし、以前と変わらなく聞こえてくる調子のいいお囃子の音とは裏腹に、神社の周囲に立っていたのは、以前とは比べ物にならない数のたった数軒の夜店のみ。

聞けば、私が小さかった頃にはたくさん居た子ども達も、今の世代では数がめっきり減ってしまって、夜店も売り上げがないのでなかなか集まらないのだそうだ。
昨今、実家の周辺に住んでいるのは、うちの両親のような老人家庭ばかり。
故に、祭りの活気すらも消えつつあるのだという現実を目にして、昔の思い出が瞼から消えない私にしてみれば、それはそれは寂しい思いがしたのだった。

・・・さて一方で、そんな祭りとは対照的に、毎年大盛況のこちらパナ祭り。

移動遊園地に大・中・小のガタピシ観覧車、綿菓子売りに揚げバナナ売り、タコス屋にピザ屋、Tシャツや靴やジーンズや野球帽の激安店にアクセサリー屋、海賊版DVD屋にポスター売り、おもちゃの魚釣り屋に毒々しい色のキャンディー屋、NINTENDOのゲーム機コーナーにビンゴゲーム、金物屋に瀬戸物屋、民族衣装の反物屋にロザリオ売り(!?)・・・、
無秩序でごちゃ混ぜの店々を見て周る楽しさは、世界中どこでだって同じだ。

学校のない週末ともなれば、一日に4回!も息子と出かけるジョンはかなりな祭り馬鹿だと思うが、
今6歳のジェイにとって、このキラキラの夢の国は一生涯の思い出になるのだと思って、多少大目に見ている私なのであった、

スペイン人侵略者たち
こんな奇怪な人たちが、花火の音と共にどこからともなくウゾゾゾゾ・・・と街に現れると、パナハチェル祭りの始まり始まり~!

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