ええっ!あのアティトランが瀕死・・・!?

誰が呼んだか「世界一美しい湖」、アティトラン湖。
そうまで言われちゃあ、一生に一度は拝んでみたくなるのが人間心理ってもので、ここは、ガイジン旅行者にとってのグアテマラ観光のハイライトになっているのは承知のとおりだ。

ところがところがである。
先の3月にイスタンブールで行われた第五回世界水フォーラムにて、2009年度の「破壊が危惧される湖」に、何とそのアティトラン湖が堂々とノミネートされてしまったのだ。

もちろん、地元に住む者としては、まったく寝耳に水という話ではない。
どうも湖が例年と違う、岸に漂着する藻の量が多い、湖で泳いだ子供が皮膚炎を起こした、などという話はここ一二年ほどよく囁かれていたものだ。
実際、半年ほど前に知人のボートで、普段あまり行かない方角の湖に繰り出したときには、その辺りの水面をびっしり緑色の藻が覆っているのを見て、「こんなのは今まで見たことがなかった」と、自分自身びっくりしたのを覚えている。

人々が推測するに、諸悪の根源は生活廃水の垂れ流しだ。
私たち一家にも甚大な被害を与えた例のハリケーン・スターンで、壊滅的被害を蒙った施設のひとつが、湖畔に建っていた下水処理場。
それが、4年以上経った今になっても再建の動きがなく、人口1万4千とも言われる街の生活廃水は毎日「世界一美しい湖」に排出されているのである。

美しい自然環境に恵まれた国、グアテマラ。
しかし、恵まれているとそれが当然のこととなっていて、なかなかその有り難味が分からないってこともある。
特に、将来起こりうること=つまり今現在目に見えないものには価値を見出すことが苦手な、グアテマラ人気質も災いして、アティトラン湖は坂を転げ落ちているのではないかという気もする。

そして一年ほど前、そんな状況を見かねたヨーロッパの慈善団体が、環境保護に向けての資金援助を始めたところ、湖のために使われるはずの金がそっくり、腹黒いグアテマラの政治家たちのポケットマネーに流れていたことが判明。
当然ながら、その団体は即刻送金を打ち切り、せっかくの善意がアティトラン湖まで届くことはなかった、
・・・だなんて、あ~あ、いかにもこの国で起こりそうなことではないか。

だがそれでも、アティトラン湖を地元の人々がぞんざいに扱っているというわけではないのである。
ここに住んでいる誰にとっても、この湖が人々の誇りであることは間違いがない。

こんな話がある。
確か3、4年前だったか、グアテマラにあのダライ・ラマ14世がやってきたことがあった。
その折に、グアテマラが誇るこの湖の存在を知ってもらいたいと考えたある団体が、
アティトラン湖まで足を伸ばしてもらうことは無理だけれども、それならせめて、湖の水をお清めしてもらおうと、わざわざ湖水をビンに詰めてダライ・ラマの元に持って行ったらしい。

しかしそこで、そのビン詰めの水を見てハタと考えた人があった。
それは「世界一美しい湖の水」、のはず、しかしビンに入れてしまえば、見た目は水道水を詰めたのとも変わりない「普通の水」に見えてしまう。
はて、そんなものを厳粛な場で、ダライ・ラマ法王に差し出してもおかしくはないものだろうか・・・?

そこでその人物、ふと思い立って、ビンの中に赤いサフランをひとひら落としてみた。
サフランといえば、古代インドでは仏陀の死後、僧侶がまとう僧衣を染め上げもの。うんうん、我ながらなかなか良い思いつき♪と、意気揚々としてダライ・ラマの前に差し出されたそのビン詰めは、
悲しいかな、周囲の人々からすればどうみても、誰かのオ★ッコ詰めのビンにしか見えなかったらしい。

・・・え~と、話は少々ずれたが、
それでも人々の誇りとなり心の拠り所となっているアティトラン湖。
近年、漠然と感じていた不安も、こうして世界的会議に名を挙げられているのを見ると、格段に現実味を帯びてくる気がする。
「世界一」の名が過去のものにならないよう、真剣に考えなければならない時に来ているようだ。

Lake Atitlan in Guatemala is “Threatened lake of the Year 2009”

アティトラン湖

2 個のコメント »

  1. 山の稜線が、何となく富士山を思い起こさせます。
    湖は、芦ノ湖?河口湖?

    コメント by alexmom — 2009/04/26 日曜日 @ 23:54:41

  2. あれ?日本の湖っぽかったかしら?
    写真はずばり、「アティトラン湖」です。
    湖に浮いている二艘の小船は、
    「カユーコ」と呼ばれる、木で出来た箱舟です。
    実際これで、漁師さんは漁をするんですよ。
    素朴でしょ?

    コメント by Chinita — 2009/04/27 月曜日 @ 01:06:31

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