インフルエンザなんて目じゃないぞ!現在グアテマラの大スキャンダル
どもっ。前回に引き続き新型インフル・ウォッチング中のチニータです。
日本でもついに国内感染者が出たか!と思ったら、あれよあれよという間に今や200人に達しようかという勢いだとか。
一方で、本家メキシコのお隣りながら、未だ発表されている感染者がたったの3人という我が国グアテマラ。
これはグアテマラ人が、水際作戦ならぬ山際作戦で必死に食い止めている結果、・・・なわけはもちろんなく、検査体能力のレベルの差が歴然と数字に表れているってところだろう。
しかしまぁ、そんなグアテマラ政府としても、国内で感染者が出たことに対して何も手を打たなかったわけではなく、
これら発症者の確認を受けて、集会の開催に対する制限などの項目を盛り込んだ「非常災害宣言」なるものを発動したのが今月6日の夜。
これを聞いた私も、「何事につけてスローなこの国も、とうとうそれ相応の準備に掛かったか。」と少々身が引き締まる思いがしたものだったが、
実はそんな状況をも吹き飛ばしてしまうほどの大事件が、それからたった4日後にこの国に起こってしまったのだった。
ちょうど日本では国内初の感染者が見つかり、人々が浮き足立っていた頃である。
事の起こりは、ロドリゴ・ローゼンベルグという弁護士が切々と語る一本のビデオからだ。
「あなたが今このビデオを見ているということは、私はもう殺されているということなのです。」という衝撃的な内容から始まるこのビデオは、
これがもし、映画ミッション・インポッシブルのワンシーンならば最後に、「なお、このビデオはこの後消失する。」と、ボンッと焼けてなくなるところ、
彼が実際に殺害された直後に、友人の手を借りてユーチューブ上にも投稿され、ワールド・ワイド・ウェブの波に乗って瞬時に世界へ配信されたのだった。
生前の彼が語るところの事の内容は、かいつまんで言うならこうである。
彼の弁護の依頼人であった男カリル・ムサが車に同乗していた娘とともに何者かに殺されたのが、今からおよそ1ヶ月前の4月半ばのこと。
この国で一番大きな銀行の頭取が、大統領夫人の言うがままに不正に資金を流用しようとしていたのを知ったカリルが、これを告発しようとしていた矢先の暗殺だったらしい。
しかしまぁ、政治家や官僚、警察といった権力機構の汚職とそれにまつわる血なまぐさい陰謀(つまり暗殺ね)なんてのには、実は慣れっこになっているグアテマラ国民である。
だが、そんな国民をも震撼させたこのビデオの凄さ、それはズバリ、
「殺し屋を雇って手を下したのが、大統領の私設秘書とその知人で、その許可を出したのが、大統領夫人のサンドラ・デ・コロンと現役グアテマラ大統領アルバロ・コロンその人である!」
と、大物中の大物の名前を具体的に挙げて、「我々の大統領は殺人者だ!」と言い切っているところなのだ。
そして、事の次第をビデオにぶちまけたこの弁護士は、これを撮影してから数日後、すなわち、アメリカの法廷にカリルの事件を告発するためにワシントンに飛ぶはずだった前日に、車で後をつけてきた何物かによって頭を撃ち抜かれ、本人の予想どおり、殺されてしまったのだからこりゃもう大変。
大体が、こうしたおエライさん達の汚職に対して誰かがほんの少しの正義感でも出そうものなら、即刻殺されて、闇から闇へと葬られるのがこの国のお決まりのケースなのである。
この事件もしかり、事を明るみに出したこの弁護士もやはり暗殺されて、死人に口なし・・・、のはずだったのが、
インターネットの神様のお陰で、死人の身ながらコンピューターの向こうから喋り出し、自分たちを死に追いやった人たちに対して驚愕の報復を成したわけだ。
死ななければ真実を口にすることができない社会というのも、甚だ悲しむべきものではあるが、それでも、彼の死が犬死にならなかったことはこの国にとって幸いだったと思う。
「こうしたことはこれまでも幾度と無く繰り返されてきた。我々は今それに向かって立ち上がらなければならない、そうしなければ我々の国グアテマラは何も変わらない。」
という彼のメッセージは、国民の誰もが感じていながら、この国の政治に飼いならされてしまって見えなくなっていた真実を正面から突いており、
それを、死をもって人々に知らしめたところが、このビデオの比類なき強さである。
これを受けて、国内はもちろん海外のマスコミまでが騒ぎ出したのに対して、さすがに無視は出来ないと思ったらしい渦中の人物、コロン大統領は、
ザ・シンプソンズに出てくるバーンズ社長に激似の顔を、いつもに増して念入りに善人顔に置き換えて、翌11日にはTV演説で自身の無実を力説。
しかし、死の間際に嘘をつく人間はいないというが、それを言わずとも、あまりにも具体的で真実と思わざるを得ない内容の前には、その夜の大統領の演説は甚だパワー不足であり、
世論はこの一件を、この国の政治の心臓を突く一大スキャンダルとして、瞬く間に押し上げたのだった。
一昨日は、この一件が大きく取り出たされてから初の日曜日。
首都のグアテマラシティでは、「ローゼンベルグ擁護派」と「大統領派」との大規模なデモが催され、真相究明を求める署名が3万以上も集まったという。
さてここで、今日のブログをよぉく読んでくれている人は、あれっ?と思ったはずである。
ちょっとちょっと、例のインフルエンザ騒ぎで布かれた非常災害宣言では、こうした集会を制限できたんじゃなかったっけ?
はい、正しくその通り、・・・だったのだけど、実は11日夜に大統領は、
「政府が弁護士殺害事件の真相究明に関心を有することを示すため、閣僚会議において非常災害宣言を撤回する決定を下した。」と発表。
しかし、インフルエンザの拡大を阻止することと、スキャンダルの究明とはまったく関係がないだろうと私は思うのだが、そんな辻褄の合わないところは、さすがはこの国の政策らしく、
とにかく、あれはわずか5日間のみでおしまい、となっていたのだった。
昨今、アメリカ人が考える国内情勢の不安定な国と言えば、パキスタンとメキシコだそうだ。
しかし、昨日付のウォールストリートジャーナルの論説では、この小国グアテマラがひらりと躍り出て、両国を抜き不名誉にも一位になってしまった。
今回のように抗議行動が目に見える形でさらに増してくれば、「これは私を陥れようとする罠だ!」などと被害者ヅラばかりするわけにも行かなくなってくるであろうグアテマラ大統領。
こんなに世論が盛り上がるんだったら、非常事態宣言は残しておいた方が良かったねコロンさん、「インフルエンザが蔓延して危険だ!」とか理由をつけて、デモを蹴散らすこともできただろうに。
とにかく、そんなこんなでこれはもう、新型インフルなんかに構っている事態じゃない!と、そちらはすっかり消し飛んでしまった模様の、ここ最近のグアテマラなのであった。
コチラがそのビデオ。スペイン語ですが、ご興味ある方はどーぞ。
パート1
以降の続編はYouTube上にて・・・


ビデオはなぜか見られないけど(こちらのPC問題あり)
この事件のニュースは知ってるよ。
すごいね!人間権力を持つと怖いね。
大統領の善人顔見ましけどね・・・
こちらのインフル、もう間近に迫ってます。
マスク、どの店も売り切れとか!!
花粉症の時に沢山仕入れておいて良かった~。
コメント by ワンダ — 2009/05/20 水曜日 @ 21:53:50
ワンダさん、
日本のニュースでもやっていましたか!
自分は関係ない!と主張する大統領に対しては、
「そうだろうさ、奥さんの悪事に巻き込まれただけのことで、
彼自身は単なる操り人形だろうから。」
という意見も出ていて、これには私もちょっと同感。
それにこれは、相対する政治家グループの、金をめぐる争いの一端だ、
という見方もあります。
大統領派が金を独り占めしているので、もう一方が喧嘩を仕掛けたのだ、とか。
・・・しかし、それで殺されちゃった人は浮かばれないよな~。
そちら日本は、いい陽気の頃でしょうね。
マスク姿で颯爽と自転車をこいでいるワンダさんが目に浮かびますよ。笑
コメント by Chinita — 2009/05/21 木曜日 @ 00:31:24
>しかし、それで殺されちゃった人は浮かばれないよな~。
ほんとにね~最近浮かばれない人が多すぎて・・・、
お金が無いとピーピー言ってる、超普通人の私には理解できないことが多過ぎる今日この頃です・・・・。
ところで、颯爽と自転車を~~ですが、
情けないことに
二日前からひどい腰痛に悩まされています(泣)
二度目の腰痛、職業病と言ってしまえばそれだけですが、結構つらいぜ!!!!!
コメント by ワンダ — 2009/05/22 金曜日 @ 08:41:40
こういう政治疑惑って、多かれ少なかれどこの国でもあるんでしょうけど、
でも、気に食わない奴をすぐズトンッ!と殺ってしまうところが、
なんともラテンアメリカっぽい感じで怖いです。
ホントにねぇ、超フツー人の私にも理解できないわ。
ま、いまや、そうしたことを理解しようなんて気も失せるけど★(笑)
腰痛、私も一ヶ月ほど前に大変な目に会いました。
洗濯物の山を持って階段を上がるのがどんなにしんどかったことか!
くれぐれもお大事に~!
コメント by Chinita — 2009/05/22 金曜日 @ 11:46:53