IT社会への長い道

ここは中南米。とある小さな国のお話。

全世界がIT社会へと急激な変化を遂げていく中で、この国のコンピューター人口もご多分に漏れず増えている。

そのバロメーターとなるのが、パソコン教室の増加。
この街にも、地元の若者たちが通う個人経営のパソコン教室が盛況だ。

だが、でも、しか~し!
もう少し平均年齢を上げて一般レベルで見ると、コンピューターの前に電卓教室でしょ?
電卓教室の前に算数でしょ?
と、苦笑してしまう現実がある。

郵便局で売られている綺麗な遺跡の絵柄の切手。
ある観光客がお土産用に70枚欲しいと、カウンターで局員に言っていた。

シートになっている切手は、横が7枚、縦が8枚。
さぁて、ここからが大変だ。
ワンシートにある切手は何枚?で、70枚マイナスシート分の切手、端数は何枚加えればいいのでしょう?

新米らしきこの局員、私とガイジン観光客が見守る中、かなりな時間を掛けて悪戦苦闘していた。

・・・普通こういう時は、電卓を使えばいいと思うでしょ?
ところがどっこい、これもこちらが期待する程は役に立たなかったりする。

小さな個人経営の店で買い物をする時、電卓と格闘している主人が答えを出す直前に、こっちが暗算で正解を言うと、唖然!とされる。
たまにその後に、「日本ってのは、頭のいい人が沢山いるんでしょう?」と聞かれたりもする。

買い物でお金を払う時にもちょっとしたコツがある。

例えば、市場で野菜を買って、全部で13ケツァール75セント。
20ケツァール札を出して、6ケツァール25セントを貰おうとすると、オバちゃん25セントの手持ちがないと言う。
それじゃあ20と75セントあげるから、7ちょうだい。
そう親切に言ったつもりが、これがいけない。ここからが混乱の始まり。
ごめんよオバちゃん、私が悪かったぁ~っ! あわてて、75セント案をひっこめる。
オバちゃんは数分姿をくらまし、どこぞから25セント玉を借りてきて、一件落着。ふ~う…。

海外青年協力隊として隣り街に住んでいるカズミさんは、学校で算数を教えているそうだ。
ジョンは、それはまた大変なのを選んだね、と言っていた。

頑張れカズミさん、この国の将来が掛かっている!

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