海外医療事情:歯医者2

ここは中南米。とある小さな国のお話。

つづき
とにかく、そんな歯医者に行くのだけは避けなければならない、と決意した私は、古くからここに住む友人に、こちらの常識に叶った歯医者を聞いてみた。

日本並の快適さを求めているわけじゃない、ある程度の水準以上のところであればいいんですぅ。
すると、

「あるわよ!ちゃんとした機械を揃えていて、しかも、ちゃーんと麻酔も掛けてくれるの!」と目を輝かせて言う。

麻酔もしてくれるの!と取りたてて言うようなことなのか、これは…。
と、こちらは喜んでいいのやら何やら複雑な心境。

訪ねて行った先は、街中のブロック塀の歯医者とは全く違う、裕福な一軒家の中に作られた小奇麗な診察室だった。

お医者さんは、チノパンに白いポロシャツなんか着ちゃってなんかソレ風だし、助手の奥さんらしき人も、テキパキと手馴れた風に仕事をこなしている。

スペイン語のみの会話という点が、私にとってはちょっと辛いのだけど、でも歯のことだもの、内科と違って、口をあんぐりと開ければほとんど通じてしまうところも助かった。

実際の治療に掛かる前に、真剣な顔で2つの値段の違いを提示された。
「一つは金を詰める方法で、1000円。もう一つはもう少し高くて1400円なんだけど、白くて目立たなくて強度もあるけど、どうする?」

私は一も二もなく、もちろん後者を選んだけれど、こういう値段に気を使う所も、さすがは現地の医者らしい。
私たちにとっては大差ない金額も、現地の人達にとっては痛い差額となったりするからだ。
これは、産婦人科のお医者さんでも同じく感じたことだけれど、患者の側に立ったとてもいい事だと思う。

麻酔の承諾書にサインも済んで、和やかな雰囲気の中、治療がスタート。
私も、想像していたよりもはるかにいい条件の下で、ようやくリラ~ックスしてきた。

東洋人の患者さんはさすがに珍しいらしく、治療の合間に色んなことを聞いてくる。
どこから来たの?日本かぁ、沢山の人が住んでるんだろうねぇ、飛行機でどのくらい掛かる?気候はどお?どんな料理があるの?

それで、日本では何語を話すの?広東語?北京語?

・・・ここで私の全幅の信頼が傾いてしまった。
中途半端な知識は、あまり口にしない方がいいよね、お互いに!

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