ブルー・マッシュルームを召し上がれ

朝一番に受けた、弾んだ声の友人からの電話。
今朝メルカドで、アノきのこが売っていたので、買い占めた、
私の分もとってあるという。

季節と言えば、ほぼ雨季と乾季しかないこの国で、その移ろいを特に感じることが出来る場所がメルカド(市場)だ。

雨季がそろそろ始まろうというこの季節に、ぽつぽつと姿を見せ始めるのが、キノコの類。
特に、友人が興奮していた代物は、ホンゴ・アズール(=青いキノコ)という、とても珍しい品種なのだ。
もっと山の方に入れば、この時期、幹線道路沿いで売っていたりもするらしいが、ここパナハッチェルで目に出来るのは、年に多くても数回である。

新聞紙に包まれて、バスケットにこんもりと盛られたそれは、
本当にインディゴ・ブルーのインクを流し込んだような色をしていて、光の加減によっては紫に見えたりもする。

青いキノコ1

やわらかいブラシで汚れをさっと落としてから、何もひかない鉄のフライパンでキノコに焦げ目をつける。
そこから立ち上る白い煙にキノコ特有の香りがふぅわりと乗って、キノコ好きの私の鼻がくすぐられる。

一方で、沸騰したお湯に鷹の爪と刻んだ玉葱を入れ、塩で味を調えたそこにライムをぎゅ~っと絞って、ソースを作っておく。

キノコが焼ける匂いと、迸るライムの香りとで、キッチンに立つ私はもう生唾が止まらない。

キノコにソースが程よく沁み込むのを待つ間、三軒隣の店まで、トルティーヤを買いに走る。
そのまた隣の店で、バナナの葉っぱで包まれている塩味の効いたナチュラルチーズも買う。

トルティーヤにチーズとキノコを包むのももどかしく、ソースをしたたらせつつ口に頬張ると、
しゃきしゃきと香ばしいキノコは、まさに年に一度だけの、とっておきのグアテマラの味がした。

青いキノコ2

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